る、狭い街はどこも青年の群だ、老人の侵入を許さなかつた。
真夜中、妙な男に敲き起された、バクチにまけたとか何とかいつて泊めてくれといふ、無論、宿では泊めなかつた、その時の一句が前記の最後の句である。
八月十一日
コドモ朝起会の掃除日ださうで、まだ明けきらないうちから騷々しい、やがてラヂオ体操がはじまる、いやはや賑やかな事であります。
何となく穏やかならぬ天候である、颱風来の警報もうなづかれる、だが其中庵は大丈夫だよ。
若い蟷螂が頭にとまつた、カマキリ、カマキリ、ウラワカイカマキリに一句デヂケートしようか。
宿のおばさんが「あかざ」の葉をむしてゐる、あかざとはめづらしい、そのおひたし一皿いたゞきたい。
今日此頃は水瓜シーズンだ、川棚水瓜は名物で、名物だけの美味を持つてゐるさうだが(私は水瓜だけでなく、あまり水菓子を食べないから、その味はひが解らない)一貫十二銭、肥料代がとれないといふ、現代は自然的産物[#「自然的産物」に傍点]が安すぎる。
刈萱[#「刈萱」に傍点]を活けた、何といふ刈萱のよろしさ!
今日は暑かつた、吹く風が暑かつた、しかし、どんなに暑くても私は夏の礼讃者だ、浴衣一枚
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