、正確にいへば、飲め[#「飲め」に傍点]なくなつたのだ、経済的でなく、肉体的乃至精神的なもののために、――よし、よし、これからは酒を飲む代りに本を読まう、アルコールよりカルモチンといふほどの意味で。
こゝでもそこでも子供が泣く、何とまあよく泣く子供だらう、私はまだ/\修行が足らない、とても人間の泣声を蝉や蛙や鳥や虫の鳴声とおなじには聞いてゐられないから、そして子供の泣声を聞くとぢつとしてはゐられない。
Sからの手紙は私を不快にした、それが不純なものでないことは、少くとも彼女の心に悪意のない事はよく解つてゐるけれど、読んで愉快ではなかつた、男の心は女には、殊に彼女のやうな女には酌み取れないらしい、是非もないといへばそれまでだけれど、何となく寂しく悲しくなる。
それやこれやで、野を歩きまはつた、歩きまはつてゐるうちに気持が軽くなつた、桔梗一株を見つけてその一株を折つて戻つた、花こそいゝ迷惑だつた!
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・やつぱりうまい水があつたよ(再録)
・蘭竹の葉の秋めいてそよぎはじめた
・別れてからもう九日の月が出てゐる
・去る音の夜がふかい
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夕の散歩をす
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