相見した、私たちの道の同行に一人を加へられたことを喜ぶ。
防府で、小郡で、その他で、山頭火後援会の会員が十口くらい出来たのは(いや出来るのは)うれしい。
学校として、農学校は好きだ、動物植物といつしよに学び、いつしよに働らいてゐるから。
樹明居の一夜は一生忘れることの出来ない印象を刻みつけた、酒もよい、肴もよい、家も人も山も風もみんなよかつた、冬村君もよかつた、君のおみやげの梅酒もよかつた、あゝよかつた、よかつた。
あんまり物みながよくて一句も出なかつた。
八月六日
暁の雨は強かつた、明けても降つたり晴れたりで、とても椹野川へ鮒釣りに行けさうもないので、思ひ切つてお暇乞する、こゝでもまた樹明さんの厚意に涙ぐまされた、駅まで送つて貰つた。
何といろ/\さま/″\のお土産品を頂戴したことよ! 曰く茶卓、曰く短冊掛、曰く雨傘(しかも、それは其中庵の文字入だ)曰く何、曰く何、そして無論、切符から煙草まで、途中の小遣までも。
汽車と自動車だから世話はない、朝立つて昼過ぎにはもう宿にま[#「ま」に「マヽ」の注記]どつた、一浴して一杯やつて、ごろりと寝た。
やつぱり、川棚の湯は私を最もよく落ち
前へ
次へ
全131ページ中78ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング