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此服装を見よ、片袖シヤツにヅボン、そのうへにレーンコートをひつかけてゐる(すべて関東震災で帰郷する時に友人から貰つた品)、頭には鍔広の麦桿帽、足には地下足袋、まさに英姿サツソウか!
更に此辨当を見よ、飯盒を持つてゆくのだが、それは私の飯釜であり飯櫃であり飯茶碗である。
日中一人、夜は三人(樹明、冬村の二君来庵)。
月を踏んで戻る、今夜もまた樹明君に奢つて貰つた、私は飲み過ぎる、少くとも樹明君の酒を飲み過ぎる。
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古釘をぬいてまはる、妙に寂しい気分、戸棚の奥から女の髪の毛が一束出て来た、何だか嫌な、陰気な感じ、よし、この髪の毛を土に埋めて女人塔[#「女人塔」に傍点]をこしらへてやらう。
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枝もたわわに柿の実の地へとどき
彼岸花の赤さがあるだけ
・つかれてもどるに月ばかりの大空
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九月廿日 小郡町|矢足《ヤアシ》 其中庵。
晴、彼岸入、そして私自身結庵入庵の日。
朝の井戸の水の冷たさを感じた。
自分一人で荷物を運んだ、酒屋の車力を借りて、往復二度半、荷物は大小九個あつた、少いといへ
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