ここから2字下げ]
・三日月よ逢ひたい人がある(彼女ぢやない、彼だ)
待つともなく三日月の窓あけてをく(彼のために)
[#ここで字下げ終わり]
この窓は心の窓だ[#「心の窓だ」に傍点]、私自身の窓[#「私自身の窓」に傍点]だ。
[#ここから2字下げ]
・三日月、遠いところをおもふ
・いつまで生きる三日月かよ
・三日月落ちた、寝るとしよう
[#ここで字下げ終わり]
どうしても寝つかれない、いろ/\の事が考へられる、すこし熱が出てからだが痛い、また五位鷺が通る。
とぶ虫[#「とぶ虫」に傍点]からなく虫[#「なく虫」に傍点]のシーズンとなつた、虫の声は何ともいへない、それはひとりでぢつと聴き入るべきものだ。
味覚の秋[#「味覚の秋」に傍点]――春は視覚、夏は触覚、冬は聴覚のシーズンといへるやうに――早く松茸で一杯やりたいな。
先日は周二さんが果実一籠をお土産として下さつた、そしてみんなで頂戴した、私の食卓にデザートがあるとは珍らしかつた、といふ訳で。
[#ここから2字下げ]
・木の実草の実みんなで食べる
[#ここで字下げ終わり]
トマトからイチヂクへ、といへないこともなからう、どこの畠にも
前へ
次へ
全131ページ中102ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング