るさとの香をいたゞく
休み石、それをめぐつて草萌える
・よい湯からよい月へ出た
・はや芽ぶく樹で啼いてゐる
・笠へぽつとり椿だつた
はなれて水音の薊いちりん
・石をまつり緋桃白桃
・みんな芽ぶいた空へあゆむ
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四月五日[#「四月五日」に二重傍線] 花曇り、だん/\晴れてくる、心も重く足も重い、やうやく二里ほど歩いて二時間ばかり行乞する、そしてあんまり早いけれどこゝに泊る、松原の一軒家だ、屋号も松原屋、まだ電燈もついてゐない、しかし何となく野性的な親しみがある(二五・上)
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自省一句か、自嘲一句か
もう飲むまいカタミの酒杯を撫でてゐる(改作)
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自戒三章もなか/\実行出来ないものであるが、ちつとも実行出来ないといふことはない、或る時は菩薩、或る時は鬼畜、それが畢竟人間だ。
今日歩いて、日本の風景――春はやつぱり美しすぎると感じた、木の芽も花も、空も海も。……
風呂が沸いたといふので一番湯を貰ふ、小川の傍に杭を五六本打込んでその間へ長州釜を狭んである、蓋なんかありや
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