立たないことの二種」に傍点]といふことについて考察した。
悪女の深情といふ語句があるが私には関係ない、私には悪酒の深酔だ。
同宿の老人がいろ/\しんせつに宿の事や道筋の事を教へて下さつた、しつかりした、おちついた品のよい老人だつた、何のバイ(商売)か知らないが、よい人がおちぶれたのだらう。
私はさつぱりと過去から脱却しなければならない、さうするには過去を清算しなければならない、私は否でも応でも自己清算に迫られてゐる。
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・朝の山路で何やら咲いてゐる
・すみれたんぽゝさいてくれた
□
・さくらが咲いて旅人である
[#ここで字下げ終わり]
三月三十一日[#「三月三十一日」に二重傍線] 晴、行程八里、平戸町、木村屋(三十・中)
早く出発する、歩々好風景だ、山に山、水に水である、短汀曲浦、炭車頻々だ。
江迎を行乞してゐて、ひよつこり双之介さんに再会して夢のやうに感じた、双之介さんはやつぱり不幸な人だつた。
双之介さん、つと立つて何か持つてきた、ウエストミンスターだ、一本いたゞいてブルの煙をくゆらす、乞食坊主と土耳其煙草とは調和しませんね。
日本百景九十九島、
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