の楽園らしい、佐賀市からは、そのために、電車が通うてゐる、もう一度来てゆつくり遊びたいと思うた。
宿は高い割合に良くなかつた。
春日墓所(閑叟公の墓所)は水のよいところ、水の音も水の味もうれしかつた。

 三月十一日[#「三月十一日」に二重傍線] 晴、小城町行乞、宿は同前。

ずゐぶん辛抱強く行乞した、飴豆を貰つて食べる、焼芋を貰つて食べる、餅を貰つて食べる、そして酒は。……
三日月といふ地名はおもしろい。
此宿はよい、木賃二十五銭では勿体ない。
同宿五人、みんなお遍路さんだ、彼等には話題がない、宿のよしあし、貰の多少ば[#「ば」に「マヽ」の注記]りを朝から晩まで、くりかへしくりかへし話しつゞけてゐる。

 三月十一日[#「三月十一日」に二重傍線] また雨、ほんに世間師泣かせの雨だ、滞在。

札所清水山へ拝登、山もよく瀧もよかつた(珠簾瀧)、建物と坊主とはよくなかつたが。
終日与太話、うるさくて何も出来ない、私も詮方なしに仲間入して暮らす。
名物小城羊羮、頗る美人のおかみさんのゐる店があつて、羊羮よりもいゝさうな!

 三月十三日[#「三月十三日」に二重傍線] 曇、晴れて風が強くなつた
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