は田舎の老人、彼は田舎医者の集金人だつた、当節は懸取にいつても、なか/\薬代をくれないといふ、折角、頼まれて来たのに、煙草代ほどもないので、先生に申訳ないといふ、いづこもおなじ、不景気々々々。
どこへいつても多いのはヤキイモヤ(夏は氷屋)そして自転車屋(それも修繕専門)。
長崎はよい、おちついた色彩がある、汽笛の響にまでも古典的な、同時に近代的なものがひそんでゐるやうに感じる。
このあたり――大浦といふところにも長崎的特殊性が漂うてゐる、眺望に於て、家並に於て、――石段にも、駄菓子屋にも。
思案橋[#「思案橋」に傍点]といふのはおもしろい、実は電車の札で見たのだが、例の丸山に近い場所にあるさうだ、思切橋[#「思切橋」に傍点]といふのもあつたが道路改修で埋没したさうだ。
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・旅は道づれの不景気話が尽きない
・けふもあたゝかい長崎の水
[#ここで字下げ終わり]
飲みすぎたのか、話しすぎたのか、何やら彼やらか、三時がうつても寝られない、あはれむべきかな、白髪のセンチメンタリスト!
二月四日[#「二月四日」に二重傍線] 曇、雨、長崎見物、今夜も十返花居で。……
夜は
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