つゝしみませう。
大村湾はうつくしい、海に沿うていちにち歩いたが、どこもうつくしかつた、海も悪くなあ[#「あ」に「マヽ」の注記]と思ふ、しかし、私としては山を好いてゐる(海は倦いてくるが山は倦かない)。
歩いてゐるうちに、ふと、梅の香が鼻をうつた、そしてそれがまた私をさびしい追憶に誘ふた。――
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梅が香もおもひでのさびしさに
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かういふ月並の一句を書き添へなければならない。
二月三日[#「二月三日」に二重傍線] 勿体ないお天気、歩けば汗ばむほどのあたゝかさ。
だいぶ気分が軽くなつて行乞しながら諫早へ三里、また行乞、何だか嫌になつて――声も出ないし、足も痛いので――汽車で電車で十返花さんのところまで飛んで来た、来てよかつた、心からの歓待にのび/\とした。
よく飲んでよく話した、留置の郵便物はうれしかつた、殊に俊和尚の贈物はありがたかつた(利休帽、褌、財布、どれも俊和尚の温情そのものだつた)。
けさ、顔を洗ふ水が濁つてゐたのは、旅情をそゝつた、此頃、彼[#「彼」に「マヽ」の注記]かにつけて寂しがる癖になつた、放下着、々々々。
けふの道連れ
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