のためか、酒のためか、孤独のためか、行乞のためか――とにかく自分自身の寝床が欲しい、ゆつくり休養したい。
新しい鰯を買つて来て、料理して貰つて飲んだ、うまかつた、うますぎだつた。
前後不覚、過現未を越えて寝た。

 二月二日[#「二月二日」に二重傍線] 雨、曇、晴、四里歩いて、大村町、山口屋(三〇・中)

どうも気分がすぐれない、右足の工合もよろしくない、濡れて歩く、処々行乞する、嫌な事が多い、午後は大村町を辛抱強く行乞した。
大村――西大村といふところは松が多い、桜が多い、人も多い。
軍人のために、在郷人のために、酒屋料理屋も多い。
昨日も今日も飛行機の爆音に閉口する、すまないけれど、早く逃げださなければならない。
此宿はよい、しづかで、しんせつで、――湯屋へいつたがよい湯だつた、今日の疲労を洗ひ流す。
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・街はづれは墓地となる波音
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何だか物哀しくなる、酒も魅力を失つたのか!
あたゝかいことだ、まるで春のやうだ、そゞろに一句があつた。
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・あたたかくて旅のあはれが身にしみすぎる
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お互に酒を
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