私もその一人だらうか、私としては、また寺としても、ふさはしいだらう)。
この寺は和泉式部の出生地、古びた一幅を見せて貰つた(峨山和尚の達磨の一幅はよかつた)。
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故郷に帰る衣の色くちて
錦のうらやきしま[#「きしま」に傍線]なるらん
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五百年忌供養の五輪石塔が庭内にある。
井特の幽霊の絵も見せてもらつた、それは憎い怨めしい幽霊でなくて、おゝ可愛の幽霊――母性愛を表徴したものださうな。
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・ひかせてうたつてゐる
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こゝの湯――二銭湯――はきたなくて嫌だつたが、西方に峙えてゐる城山――それは今にも倒れさうな低い、繁つた山だ――はわるくない。
うどん、さけ、しやみせん、おしろい、等々、さすがに湯町らしい気分がないでもないが、とにかく不景気。
一月卅日[#「一月卅日」に二重傍線] 晴、暖、滞在、宿は同前、等々々。
お天気はよし、温泉はあるし、お布施はたつぷり(解秋和尚から、そして緑平老からも)、どまぐれざるをえない。
一浴して一杯、二浴して二杯、そしてまた三浴して三杯だ、百浴百杯、千浴千杯、万
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