、合掌。
五月廿一日[#「五月廿一日」に二重傍線] 曇后雨、行程六里、粟野、村尾屋(三〇・中)
今にも降りだしさうだけれど休めないやうになつてゐるから出かける、脱肛の出血をおさへつけてあるく。
古市、人丸といふやうな村の街を行乞する、ホイトウはつらいね、といつたところで、さみしいねえひとり旅は。
行乞相はまさに落第だつた、昨日のそれは十分及第だつたのに(それだけ今日はいら/\してゐた)。
今日の道はよかつた、丘また丘、むせるやうな若葉のかをり、ことに農家をめぐる密柑のかをり。
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おどつてころんで仔犬の若草
・ふるさとの言葉のなかにすわる
密柑の花がこぼれる/\井戸のふた
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今日はよく声が出た、音吐朗々ではないけれど、私自身の声としてはこのぐらゐのものだらうか。
同宿三人、何といふ善良な人だらう、家のない人間は、妻も子も持たない人間は善良々々。
この土地もこの宿も悪くない、昨日は三杯飲んだから、今日は飲まないつもりだつたら、やつぱり一杯だけは飲まずにはゐられなかつた。
まさに、蚤のシーズン[#「蚤のシーズン」に傍点]だ、彼等はスポー
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