仙崎町三時間、正明市二時間、飯、米、煙、そしてそれだけ。
此宿の主人は旧知だつた、彼は怜悧な世間師だつた、本職は研屋だけれど、何でもやれる男だ、江戸児だからアツサリしてゐる、おもしろいね。
同宿六人、みんなおもしろい、あゝおもしろのうきよかな[#「あゝおもしろのうきよかな」に傍点]、蛙がゲロ/\人間ウロ/\。
空即空[#「空即空」に傍点]、色是色[#「色是色」に傍点]、――道元禅師の御前ではほんたうに頭がさがる、――日本に於ける最も純な、貴族的日本人[#「貴族的日本人」に傍点]、その一人はたしかに永平老古仏。
こゝで得ればかなたで失ふ、一が手に入れば二は無くなる、彼か彼女か、逢茶喫茶、ひもぢうなつたらお茶漬でもあげませうか、それがほんたうだ、それでたくさんだ、一をたゞ一をつかめば一切成仏、即身即仏、非心非仏。
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 こんやの宿も燕を泊めてゐる
・ふるさとの夜となれば蛙の合唱
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初めて逢うた樹明君、久しぶりに逢うた敬治君、友はよいかな、うれしいかな、ありがたいかな、もつたいないかな、昨日今日、こんなにノンキで生きてゐるのはみんな友情の賜物である
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