)
ぎつしり乗り合つて草青々( 〃 )
□
苺ほつ/\花つけてゐた(伊東君に)
つゝましく金盞花二三りん( 〃 )
襁褓干しかけてある茱萸も花持つ( 〃 )
逢うてうれしい音の中( 〃 )
□
鳴いてくれたか青蛙(或る旗亭にて)
葉桜となつて水に影ある( 〃 )
たそがれる石燈籠の( 〃 )
□
きんぽうげ、むかしの友とあるく
蔦をははせて存らへてをる
□
・山ふところで桐の花
・青草に寝ころんで青空がある
咲いてかさなつて花草二株
□
・別れて橋を渡る
・青葉の心なぐさまない
[#ここで字下げ終わり]
しつかりしろ、と私は私自身に叫ぶ外なかつた、あゝ。
[#地付き]――赤郷絵堂、三島屋(三〇・中)。
五月十六日[#「五月十六日」に二重傍線] 晴、行程四里、三隅宗頭、宮内屋(二五・上)
すつかり初夏風景となつた、歩くには暑い、行乞するには懶い、一日も早く嬉野温泉に草庵を結ばう。
けふの道はよい道だつた、こんやの宿はよい宿だ。
花だらけ、水だらけ、花がうつくしい、水がうまい(酒はもう苦くなつた)。
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