思ひやつて下さつて)。
緑平老は、あやにく宿直が断りきれないので、晩餐後、私もいつしよに病院へ行く、ネロ(その名にふさはしくない飼犬)もついてくる。
緑平居に多いのは、そら豆、蕗、金盞花である、主人公も奥さんも物事に拘泥しない性質だから、庭やら畑やら草も野菜も共存共栄だ、それが私にはほんたうにうれしい。
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廃坑の月草を摘んで戻る
廃坑、若葉してゐるはアカシヤ
・ここにも畑があつて葱坊主
へたくそな鶯も啼いてくれる
・夕空、犬がくしやめした
ひとりものに犬がじやれつく
香春晴れざまへ鳥がとぶ
□
何が何やらみんな咲いてゐる(緑平居)
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五月二日[#「五月二日」に二重傍線]
五月は物を思ふなかれ、せんねんに働け、といふやうなお天気である、かたじけないお日和である、香春岳がいつもより香春岳らしく峙つてゐる。
早く起きる、冷酒をよばれてから別れる、そつけない別れだが、そこに千万無量のあたゝかさが籠つてゐる。
四里ばかり歩いて、こゝまで来て早泊りした、小倉の宿はうるさいし、痔もよくないし、四年前、長い旅から緑平居へいそいだと
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