突ばつかり
焼芋つゝんで下さつた号外で
・ぬけさうな歯を持つて旅にをる
ぬけた歯を見詰めてゐる
□
お留守に来て雀のおしやべり(緑平居)
[#ここで字下げ終わり]
五月一日[#「五月一日」に二重傍線] まつたく五月だ、緑平居の温情に浸つてゐる。
熱があるとみえて歯がうづくには困つたが、洗濯したり読書したり、散歩したり談笑したり。
彼女からの小包が届いてゐた、破れた綿入を脱ぎ捨てゝ袷に更へることが出来た、かういふ場合には私とても彼女に対して合掌の気持になる。
廃坑を散歩した、アカシヤの若葉がうつくしい、月草を摘んできて机上の壺に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]して置く。
放哉書簡集を読む、放哉坊が死生を無視(敢て超越とはいはない、彼はむしろ死に急ぎすぎてゐた)してゐたのは羨ましい、私はこれまで二度も三度も自殺をはかつたけれど、その場合でも生の執着がなかつたとはいひきれない(未遂にをはつたが[#「たが」に「マヽ」の注記]その証拠の一つだ)。
筍を、肉を、すべてのものをやはらかく料理して下さる奥さんの心づくしが身にしみた(私の歯痛を
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