風を運ばれる鰒がふくれてゐる
きたない水がぬくうて葦の芽
・鉄板をたゝいても唄うたつてゐる
警察署の無花果の芽
・帆柱ばつかりさうして煙突ばつかり(若松から八幡へ)
竹藪あかるう子供もできた(小城氏新居)
あかるく竹がそよいでゐる
[#ここで字下げ終わり]
四月廿三日[#「四月廿三日」に二重傍線] 雨、風、行程二里、小倉市、三角屋(三〇・中)
わざと風雨の中を歩いた、先日来とかく安易になつた気持を払拭しようといふ殊勝な心がけからである。
小倉まで来て、放送居士、ではない、放送局下の惣三居士を訪ねる、初相見にしては始中終見、よばれて、しやべつて、いたゞいて、それから。――
酔うた、酔うた、ヱロ街散歩、何とぬかるみの変態的興味、シキシマを一本づゝ彼女達に供養した。
[#ここから2字下げ]
びつしよりぬれてゆくところがない
・風の建物の入口が見つからない
どうやら霽れてくれさうな草の花
春雨の放送塔が高い
・移りきて無花果も芽ぶいてきた(惣三居)
[#ここで字下げ終わり]
廃棄工場(発電所)、そこにはデカダン的で男性的なものがあつた、なか/\句にならない。
寝十方花庵、月
前へ
次へ
全150ページ中118ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング