あげたが、私はわざと知らない顔をしてゐた、我不関焉といふのではないが、彼女には好感を持てない何物かゞあるやうだ、明朝たばこ銭でもあげやうか、――彼女の存在は私の心を暗くした。
筍を食べたが、料理がムチヤクチヤなので、あんまりおいしくなかつた、うまい筍で一杯やりたいものだ。
四月廿日[#「四月廿日」に二重傍線] 曇、風、行程四里、折尾町、匹田屋(三〇・中)
風にはほんたうに困る、塵労[#「塵労」に傍点]を文字通りに感じる、立派な国道が出来てゐる、幅が広くて曲折が少なくて、自動車にはよいが、歩くものには単調で却つてよくない、別れ路の道標はありがたい、福岡県は岡山県のやうに、此点では正確で懇切だ。
行乞相はよかつた、風のやうだつた(所得はダメ)。
省みて、供養をうける資格がない(応供に値するものは阿羅漢以上である)、拒まれるのが当然である、これだけの諦観を持して行乞すれば、行乞が修行となる、忍辱は仏弟子たるものゝ守らなければならない道である、踏みつけられて土は固まるのだ、うたれたゝかれて人間はできあがる。
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旅のこどもが犬ころを持つてゐる(ルンペン)
・けふもい
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