ら庭の桜も満開、波音も悪くありません。……
    □
 麦田花菜田長い長い汽車が通る
 霞の中を友の方へいそぐ
 霞のあなたで樹を伐る音をさせてゐる
 水音を踏んで立ちあがる
 晴れて風ふく銅像がある
・早泊りして蘭竹の風が見える(改作)
 ひさ/″\きて波音のさくら花ざかり(隣船寺)
[#ここで字下げ終わり]

 四月十九日[#「四月十九日」に二重傍線] 晴、そして風、行程三里、赤間町、小倉屋(三〇・中)

奥さんが夜中に戻つて来られたので、俊和尚も安心、私も安心だ、しかしかういふ場合に他人が狭[#「狭」に「マヽ」の注記]つてゐるのはよくないので、早々草鞋を穿く、無論、湯豆腐で朝酒をやつてからのことである。
行乞気分になれないのを行乞しなければならない今日だつた、だいたい、友を訪ねる前、友を訪ねた後は、所謂里心[#「里心」に傍点]が起るのか、行乞が嫌になつて、いつも困るのだが。
もう山吹が咲き杜鵑花が蕾んでゐる、紫黄のきれいなことはどうだ。
同宿五人、その中の婆さんは着物は持つてゐるが銭は持つてゐない、長崎からはる/″\門司にゐる息子を尋ねてゆくといふ、同宿の人々がいろ/\世話して
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