ちにち風をあるいてきた
 山ふところの水涸れて白い花
・風のトンネルぬけてすぐ乞ひはじめる
 もう葉桜となつて濁れる水に
[#ここで字下げ終わり]
同宿は土方君、失職してワタリをつけて放浪してゐる、何のかのと話しかける、名札を書いてあげる、彼も親不孝者、打つて飲んで買うて、自業自得の愚をくりかへしつゝある劣敗者の一人。

 四月廿一日[#「四月廿一日」に二重傍線] 晴、申分なし、行程三里、入雲洞房、申分なし。

若松市行乞、行乞相と所得と並行した、同行の多いのには驚いた、自省自恥。
若松といふところは特殊なものを持つてゐる、港町といふよりも船着場といつた方がふさはしい、帆柱林立だ(和船が多いから)、何しろ船が多い、木造、鉄製、そして肉のそれも!
諺文の立札がある、それほど鮮人が多いのだらう、檣のうつくしい港として、長崎が灯火の港であることに匹敵する如く。
鮮人宛の立札があるのは、諏訪神社に外人向のお※[#「鬥<亀」、第3水準1−94−30]札(英語の)があると[#「ると」に「マヽ」の注記]好対照だ。
入雲洞君はなつかしい人だ、三年ぶりに逢うて熊本時代を話し、多少センチになる。……
金魚
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