た、道は八方さわりなし。
今夜はずゐぶん飲んだ(緑平兄の供養で)、しかし寝られないので、いろ/\の事を考へる――其中庵のこと、三八九の事。
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・朝からの騷音へ長い橋かゝる(松浦橋)
春へ窓をひらく
・松風に鉄鉢をさゝげてゐる
・松はおだやかな汐鳴り
・へんろの眼におしよせてくだけて白波
・旅のつかれの腹が鳴ります
・しらなみの県界を越える
□
・わびしさに法衣の袖をあはせる
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酒は嗜好品である、それが必需品となつては助からない、酒が生活内容の主となつては呪はれてあれ。
木の芽はほんたうに美しい、花よりも美しい、此宿の周囲は桑畑、美しい芽が出てゐる、無果花の芽も美しい。
四月十二日[#「四月十二日」に二重傍線] 雨、滞在休養、ゆつたりと一日一夜を味はつた。
久しぶりに朝酒を味ふ、これも緑平老の供養である、ありがたしともありがたし。
同宿は五人、みんな気軽な人々である、四方山話、私も一杯機嫌でおしやべりをした。
しと/\と降る、まつたく春雨だ、その音に聴き入りながらちびり/\と飲む、水烏賊一尾五銭、生卵弐個五銭、酒二合十五銭の散
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