馬に春田を耕すことを教へてゐる
・しづかな道となりどくだみの芽
 どつさり腰をすえたら芽
 けふのおせつたいはたにしあへで
[#ここで字下げ終わり]
さつそく留置郵便をうけとる、どれもありがたかつたが、ことに緑平老のそれはありがたかつた。
私は何も持つてゐない、たゞ友を持つてゐる、よい友をこんなに持つてゐることは、私のよろこびあ[#「あ」に「マヽ」の注記]り、ほこりでもある。
緑平老のたよりによれば、朱鱗洞居士は無縁仏になつてしまつてゐるといふ、南無朱鱗洞居士、それでもよいではないか、君の位牌は墓石は心は、自由俳句のなかに、自由俳人の胸のうちにある。
此宿の便所は第一等だ、ヤキ(木賃宿)には勿体ない、武雄のそれに匹敵するものだ。
人間に対して行乞せずに、自然に向つて行乞したい[#「自然に向つて行乞したい」に傍点]、いひかへれば、木の実草の実を食べてゐたい。

 四月十一日[#「四月十一日」に二重傍線] 晴后曇、行程六里、深江、久保屋(二五・上)

歩いてゐる、領布[#「布」に「マヽ」の注記]振山、虹ノ松原、松浦潟の風光は私にも写せさうである、それだけ美しすぎる。
松原逍遙、よかつ
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