水注入)。
伊万里は勿論、途上、空家貸家売家がよく目につく、不景気は深刻である。
今日の道はよかつた、自動車どころか行人もあまり見受けなかつた、しづかでうれしかつたが、同時に、道をまちがへてだいぶ無駄足をふんだ(訊ねる家も人もないやうなところで)。
さすがに田舎は気持がよい、手掴みで米を出すやうな人もなく、逢ふ人はみな会釈する、こちらが恥づかしくなるほどだ。
御大典記念の時計台がこしらへてある、いゝ思ひつきだけれど、あんなところにこしらへたのが、さて、どのくらゐ役立つだらうかとも考へられる。
今日、はじめて蟇を聞き蛇を見た。
やつぱり南国の風景は美しすぎる、築山のやうな山、泉水のやうな海、――まるで箱庭である。
山ざくらはもう葉ざくらとなつてゐた。
山村のお百姓さんはほんたうによく働らいてゐる、もつたいないと思つた、すまないと思つた。
同宿四人、二人は夫婦、仲のよいことである。
今夜の酒はうまかつた、酒そのものはあまりよくないのに。
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学校も役場もお寺もさいたさいた
朝ざくらまぶしく石をきざむや
うたつてもおどつてもさくらひらかない
・石がころんでくる道は遠
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