たりの約束だけれど、飛び出して汽車に乗る、列車内でも※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]話が二つあつた、一つはとても元気な老人の健康を祝福した事、彼も私もいゝ機嫌だつたのだ、その二は傲慢な、その癖小心な商人を叱つてやつた事。
九時近くなつて、闘牛児居を驚かす、いつものヨタ話を三時近くまで続けた、……その間には小さい観音像へ供養の読経までした、数日分の新聞も読んだ。
放談、漫談、愚談、等々は我々の安全辨だ。

 十月廿一日[#「十月廿一日」に二重傍線] 晴、日中は闘牛児居滞在、夜は紅足馬居泊、会合。

早く起きる、前庭をぶらつく、花柳菜といふ野菜が沢山作つてある、紅足馬さんがやつてくる、話がはづむ、鮎の塩焼を食べた、私には珍らしい御馳走だつた、小さいお嬢さんが馳けまはつて才智を発揮する、私達は日向の縁側で胡座。
招かれて、夕方から紅足馬居へ行く、闘牛児さんと同道、そのまゝ泊る、今夜も話がはづんだ、句評やら読経やらで夜の更けるのも知らなかつた。
闘牛児居はしづかだけれど、市井の間といふ感じがある、こゝは田園気分でおちつける、そして両友の家人みんな気のおけ
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