行乞記
(一)
種田山頭火
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)羽毛《ハネ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大|魚籃《ビク》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]話が
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\の事が
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
[#ここから2字下げ]
このみちや
いくたりゆきし
われはけふゆく
しづけさは
死ぬるばかりの
水がながれて
[#ここで字下げ終わり]
九月九日[#「九月九日」に二重傍線] 晴、八代町、萩原塘、吾妻屋(三五・中)
私はまた旅に出た、愚かな旅人として放浪するより外に私の行き方はないのだ。
七時の汽車で宇土へ、宿においてあつた荷物を受取つて、九時の汽車で更に八代へ、宿をきめてから、十一時より三時まで市街行乞、夜は餞別のゲルトを飲みつくした。
同宿四人、無駄話がと
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