ヨタ二句
・腰のいたさをたゝいてくれる手がほしい
お経あげてゐるわがふところは秋の風
[#ここで字下げ終わり]
(まことに芭蕉翁、良寛和尚に対しては申訳がないけれど)
十月廿日[#「十月廿日」に二重傍線] 晴、曇、雨、そして晴、妻町行乞、宿は同前。
果して霽れてゐる、風が出て時々ばら/\とやつて来たが、まあ、晴と記すべきお天気である、九時から二時まで行乞、行乞相は今日の私としては相当だつた。
新酒、新漬、ほんたうにおいしい、生きることのよろこびを恵んでくれる。
歩かない日はさみしい、飲まない日はさみしい、作らない日はさみしい、ひとりでゐることはさみしいけれど、ひとりで歩き、ひとりで飲み、ひとりで作つてゐることはさみしくない。
昨日書き落してゐたが、本庄の宿を立つ時、例の山芋掘りさんがお賽銭として弐銭出して、どうしても受取らなければ承知しないので、気の毒とは思つたけれど、ありがたく頂戴した、此弐銭はいろ/\の意味で意味ふかいものだつた。
新酒を飲み過ぎて――貨幣価値で十三銭――とう/\酔つぱらつた、こゝまで来るともうぢつとしてはゐられない、宮崎の俳友との第二回会合は明後日あ
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