にはいるだけの勇気が出て来た。
やつと酒屋で酒を見つけて一杯飲む、おいしかつた、焼酎とはもう絶縁である。
寝てゐると、どこやらで新内を語つてゐる、明烏らしい、あの哀調は病める旅人の愁をそゝるに十分だ。
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たつた一匹の蚊で殺された
病んで寝て蠅が一匹きたゞけ
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十月十八日[#「十月十八日」に二重傍線] 晴、行程四里、本庄町、さぬきや(三〇・上)
夜が長い、いくども眼がさめた、今日もお天気、ようお天気がつゞく、ありがたいことである、雨は世間師には殺人剣だ。
高岡から綾まで二里、天台宗の乞食坊さんと道づれになる、彼の若さ、彼の正直さを知つて、何とかならないものかと思ふ。
綾を二時間ばかり行乞する、このあたりは禅宗が多いので、行乞には都合よろしい、時々嫌なことがある、その嫌なことを利用してはいけない、善用して、自分の忍辱がどんなものであるかを試みる。
先日来、お昼の辨当を持つて歩くことにした、今日は畦草をしいて食べた、大根漬がおいしかつた、それは高岡の宿のおみか[#「みか」に「マヽ」の注記]さんの心づくしであるが。
綾から本庄までまた二里、三
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