踏むまいとしたその蟹は片輪だ
 志布志へ一里の秋の風ふく
・こゝまできてこの木にもたれる
・秋風の石を拾ふ
・人里ちかい松風の道となる
 泣く子叱つてる夕やみ
 飲まずには通れない水がしたゝる
 砂がぽこ/\旅はさみしい
   ヨタ一句
 こんなところにこんなシヤンがゐる波音
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安宿の朝はおもしろい、みんなそれ/″\めい/\の姿をして出てゆく、保護色といふやうなことを考へざるをえない、片輪は片輪のやうに、狡いものは狡いやうに、そして、一は一のやうに!
今日の行乞相はよくもわるくもなかつた、嫌な事が四つあつた、同時にうれしい事が四つあつた、憾むらくは私自身が空の空になれない事だ、嫌も好きもあるものか。
米価の安くなる事実は私のやうなものをも考へさせる、――飫肥では弐十八銭、油津では二十五銭、上ノ町では弐十弐銭となつた(新白米では弐十銭以下だとさへ聞いた)。
今町から志布志まで三里強、日本風の海岸佳景である、一里ばかり来たところに、宮崎と鹿児島との県界石標が立つてゐる、大きなタブの樹も立つてゐる、石よりも樹により多く心を惹かれるのは私のセンチメンタリズムか、夏井の浜
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