が住んでゐる家だ、私も時々さういふ家に立つたことがある。
その一銭をうけて、ほんたうにすまないと思ふ一銭。
秋は収穫のシーズンか、大きな腹をかゝへた女が多い、ある古道具屋に、『御不用品何でも買ひます、但し人間のこかし[#「こかし」に傍点]は買ひません』と書いてあつた、こかし[#「こかし」に傍点]とは此地方で、怠けものを意味する方言ださうな、私なぞは買はれない一人だ。
同宿のエビス爺さん、尺八老人(虚無僧さんのビラがない)、絵具屋さん、どれも特色のある人物だつた。
例のお遍路さんから、肉体のおせつたいといふ話を聞いた、ずゐぶんありがたい、いや、ありがたすぎるおせつたいだらう。
親子三人連れのお遍路さんも面白い人だつた、みんな集つて雑談の花が咲いたとき、これでどなたもブツの道ですなあといつた、ブツは仏に通じ、打つに通じる、打つは勿論、飲む買ふ打つの打つである、またいつた、虱と米の飯とを恐れては世間師は出来ませんよと、虱に食はれ、米の飯を食ふところに世間師の悲喜哀歓がある。
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秋暑い乳房にぶらさがつてゐる
よいお天気の言葉かけあつてゆく
旅は気軽い朝から唄つてゐる
ふる
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