示を与へる、どん底まで掘ればいゝが、生半端に掘つたところよりも、むしろ浅いところによい水が湧くこともあるといふことは知つておくがよからう。
けふは大淀駅近くの、アンテナのある家で柄杓に二杯、生目社の下で一杯、景清廟の前で二杯、十分に水を飲んだことである。
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   途上即事
 笠の蝗の病んでゐる
・死ぬるばかりの蝗を草へ放つ
 放ちやる蝗うごかない
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今夜同宿の行商人は苦労人だ、話にソツがなくてウルホヒがある、ホントウの苦労人はいゝ。

 九月廿九日[#「九月廿九日」に二重傍線] 晴、宿は同前、上印をつけてあげる。

気持よく起きて障子を開けると、今、太陽の昇るところである、文字通りに「日と共に起き」たのである、或は雨かと気遣つてゐたのに、まことに秋空一碧、身心のすが/\しさは何ともいへない、食後ゆつくりして九時から三時まで遊楽地を行乞、明日はいよ/\都会を去つて山水の間に入らうと思ふ、知人俳友にハガキを書く。
此宿は座敷も賄も、夜具も待遇もよいけれど、子供がうるさく便所の汚いのが疵だ、そしていかにも料理がまづい、あれだけの材料にもう少しの調
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