縮するほどだ、訪問早々、奥さんの温情に甘えて、昼御飯をうんと食べたほど、身心をのび/\とさせた。
ずゐぶんおそくまで飲みつゞけ話しつゞけた、飲んでも/\話しても/\興はつきなかつた、それでは皆さんおやすみ、あすはまた飲みませう、話しませう(虫がよすぎますね!)。
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逢ひたうて逢うてゐる風(地橙孫居)
※[#「魚+昜」、133−9]かみしめては昔を話す( 〃 )
風の街の毛皮売れない鮮人で
・けふもしぐれて落ちつく場所がない
・しみ/″\しみいる尿である
買ふでもないものを観てまはる
ふる郷ちかく酔うてゐる
朝から酔うて雨がふる
・ありがたいお金さみしくいたゞく
供養受けるばかりで今日の終り
・しぐるゝや煙突数のかぎりなく(八幡風景)
風の街の朝鮮女の衣裳うつくしい
また逢ふまでの山茶花の花(昧々氏へ)
標札見てあるく彦山の鈴(星城子居)
しぐるゝやあんたの家をたづねあてた( 〃 )
[#ここで字下げ終わり]
省みて、私は搾取者ぢやないか、否、奪掠者ぢやないか、と恥ぢる、かういふ生活、かういふ生活に溺れてゆく私を呪ふ。……
芭蕉の言葉に、わが句
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