き、いかなどは問題にするほどでない。女、子供に任しておけ。
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       天麩羅《てんぷら》

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*てんぷら好きは食道楽として誇ったものではない。
*材料、種第一。えびが多いが、えびは養殖でなく天然のもので大きなものは不可。大きいのは見かけだおし。一匹七、八|匁《もんめ》か、それ以下。
*揚げたて第二。てんぷらは揚げてすぐ食べなくては種がよくても味は落ちる。
*油第三。種がよくても油がまずくては不可。
*油は胡麻《ごま》の古い貯蔵品が味がこなれていていい。
*かや油、椿《つばき》油は単独はいけないが、これを三割くらい加えると胡麻油の味は軽くなっておちつく。
*今の東京風のだしは甘からく重くるしいもので味を落とす。昔の天金はうすい甘くないだしだった。
*てんぷらに新鮮なだいこんおろし、これにしょうゆをかけて食べれば俗なだしに優《まさ》る。
*だし、種、油、揚げたてをやかましくいうが、新しい掘りたてのだいこんのおろしを吟味する必要がある。
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       鰻《うなぎ》蒲焼《かばや》き

[#こ
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