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*うなぎ好きは食通の至ったものではない。うなぎやてんぷらの美味《うま》さは高の知れた美味さだ。これをやかましく喜ぶのは低級な食道楽だ。
*うなぎもあたたかいうちに食べる。往年、上野駅前の山城屋主人なる通人の食べ方を見るに、四枚重ねて片方から食べていったのを見て感心した。
*うなぎは中串以下の大きさが美味い。
*養殖のうなぎはまずくてくさい。
*八幡巻きのうなぎは火箸のようなびりうなぎが適す。
*うなぎをじかに焼く関西風と、関東風の蒸し焼きといずれがよいか。関西風はうまいが堅い。めいめい好きな方をやればいい、一得一失。
*うなぎ酒は蓋《ふた》茶碗にうなぎの焼いたのを入れて熱い酒をかけて、茶碗の蓋をしたまま飲《の》む。この場合は関西風の焼き方にかぎる。
*所詮《しょせん》うなぎは飯の菜で酒の肴《さかな》にはならない。
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刺身
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*わさびを生かして食う方法。この頃のひとにはわさびはあまり好かれないようであるが、刺身の上にのせて、しょうゆをつけて食べるとわさびは利く。し
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