というのがあります。青磁のことをその色を形容いたしまして雨過天晴という。それは雨が止んでしまって青空に晴れた色をしている。ところがこれは均窯の方をいっているのか、青磁の方をいっているのかはっきりいえないのでありますが、中国人にいわせますれば、それは均窯だという。日本人の感じでいうと、雨過天晴というのは青磁だ。こういっております。それは感じでありますからどちらでもよろしいのでありますが、その色もさることながら、その作行《さくゆき》が非常によいのであります。今日一つの刀剣を見ましても、ああいう鎧《よろい》のようなものを見ましても、また仏像を見ましても、鎌倉時代というものはとにかく尊いものであります。中国の宋時代の陶器に鉅鹿《きょろく》なんというものが生まれているのでありますから、作行としてもっとも尊いものが生まれた時であります。その時から青磁が香炉なら香炉、花生《はないけ》なら花生というものが実に立派に出来ております。内容も相当によい、色もよい、そこで青磁の御承知の袴腰《はかまごし》のこういう香炉がありますが、そういうようなものは今日五万、十万、二十万という値をしておりますが、これがどうい
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