じゃ、貴方《あなた》がたが御覧になった石橋さんという方の、欠点とでもいったようなものは……一口にいったら、どんなところでしょうか?」
「わし共、有難てえ方だと思ってやすで、別段欠点といったことも、気が付いたこたアねえでやすが……そうでやすな……」
とあまり触れたがらぬ様子であった。
「……そうでやすな……欠点といえるかどうか、知らねえでやすが……あんまり長く外国にいらしたで……日本の事情に、通じてなさらねえてところで、やしょうかな? 日本は、旦那のいたとこと違《ちご》うて、コセコセした小さな国でがすで……」
これで朧《おぼろ》げながら、石橋氏という人の輪郭が、飲み込めたような気がする。まだいろいろ話は出たが、これ以上くどくどと並べたてたところで仕様がない。
水番の六蔵……山の農園の農夫が二人……馬丁《べっとう》の福次郎、いずれも石橋家が焼けた後は、山を降って一時ここで働いていた。が、石橋家没落後、水の尾村有となった柳沼の水番に雇われて、六蔵だけは、再び山へ戻ってここにいないという。農夫の一人はここで働いているが、一人は平戸へ引き揚げ、福次郎はやっぱり馬丁をすると、やがて伝手《つて
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