そこまで送っておいでになったに違《ちげ》えごぜいません」
と茫然《ぼうぜん》と考えてる私を、慰めてもくれました。
そんな話のうちに、夜もふけて、やがて人々は別れ去って、私も疲れたからだをやっと蒲団《ふとん》に横たえましたが、どんなに私が輾転反側《てんてんはんそく》してその夜一晩、まんじりともせずに夜を明かしたかは、もう先生、貴方《あなた》にも想像していただけるであろうと思います。
その晩、私の部屋では別段、明日の朝どうこうという相談もなかったように思いましたが、私の部屋を出た後ででも、あるいはそういう相談が纏《まと》まったのかも知れません。
翌《あく》る朝眼が醒《さ》めた時には、怖《こわ》いもの見たさからか、好奇の色を泛べた村の若い者たちが七、八人、手に手に棍棒《こんぼう》や鳶口《とびぐち》を持って草鞋《わらじ》脚絆《きゃはん》姿で、その間には昨夜《ゆうべ》の石屋のオヤジもいれば、またその背後《うしろ》にいた三十二、三の男、宿屋の亭主も交じって、意気込んでいます。もし幽霊が出たら、それで切ってかかるつもりか、中には大きな鎌《かま》を持った男もいます。
もちろん、幽霊などが出る
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