なさった時は、妹さんに負けず劣らずの美しさで評判でしたが、死体は爛《ただ》れてフヤケテ、皮膚が剥《む》けて、もう滅茶滅茶《めちゃめちゃ》だという話でやした」
おまけに、検診していた警察医が、大声を上げました。
「おう……殺《や》られてる……殺られてる……やっぱり殺られてる! 眉間《みけん》を撃たれてるぞう!」
弾《たま》は額を貫通しているらしく、ベロリと皮の剥けた眉間のあたりに、ピンセットを入れて警察医は頻《しき》りに弾の摘出をしているらしい様子でした。
「見るな、見るな! といわれるだから、わっしはこの方はハッキリと顔を見たわけではねえでやすが、……両方とも屍体《したい》の上がったことも、撃たれて死んでるチュウことも、決して間違いのねえこってやす……」
妹に撃たれて死んだという風評も、これで確実になったわけです。しかも当の妹の方も死体になってるのですから、噂《うわさ》の真偽さえ確かめればそれでよしということにして、どうせこんな山の中の警察では、もうその上の穿鑿《せんさく》もしなかったのでしょう。死体は解剖に回しもせずに、そのまま湖岸西北方の、例のマンガン鉱山を南に仰いだ小山の麓
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