いるとはいえ、あの淋しい山道を、二里半もどうやって帰って行くのでしょうか?
馬に乗ったからとて淋《さび》しいし、犬を連れたからとて淋しいのに、その馬もいなければ犬もなく、あんな淋しい山の中を、一体どうやって帰って行くのでしょう? ……懐中電灯でも持っているのか知ら? ああ、もっと早くあの二人に帰ってもらえばよかった! と、私はぼんやりして気づかなかった自分を後悔して、二人の消えた暗《やみ》を見送っていました。
そして、なぜ今もそんな淋しいところに、家を建てて住んでるのか知ら? どうして山を離れる気になれないのだろう? なぞと取り留めもないことを考え耽《ふけ》っていましたが、いくら後悔して立っていたからとて、もう見えなくなってしまったものを、仕方がありません。
まごまごすれば、夜の帳《とばり》はいよいよ迫って来て、村まで行くにさえ、差し支えそうになってきます。気を取り直して私は、星空を頼りに、その村道を辿《たど》り始めました。もう人家間近まで来てながら、二人に別れた後は、いよいよ身を切るばかりの寂寥《せきりょう》が襲ってきて、この時ほど私は心の底から淋しさを感じたことはありません。
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