も分かぬ薄暗《うすやみ》に包まれていました。
「では明日《あした》また、この辺までお迎えに上がりますから」
「いいえ、いいんです、いいんです! こんな遠くまで……では、明日は早くいきますよ……さっきお逢《あ》いした、あの木の下を左へ曲ったところですね……家が建ってるのは……?」
暗の中で、二人がうなずいたように思われます。
「それならここで……さようなら……」
二人はほほえみながら、そこに立ちどまりましたが、やがて縺《もつ》れ合いながら段々と、暗の中へ溶け込んで……到頭見えなくなってしまいました。そして、見えなくなっても、ぼんやりとまだ私は、二人の後を見送って佇《たたず》んでいたのです。
二人の送って来てくれたところは、村境《むらざかい》とみえて、そこには夕暗にも著《しる》く、大きな自然石を並べた橋が架かって、橋の向うはもう坦々《たんたん》たる村道になっているのです。遥《はる》か彼方《かなた》に、灯《ともしび》が瞬《またた》いて、私の方はこの村道に沿ってさえ行けば、やがて教えられた村の宿屋にも行き着くでしょう。が、二人はこれからあの淋《さび》しい夜道を……空に星が燦《きらめ》いて
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