大なことを俺に前もって言ってくれなかったんだ! 発熱して眩暈がする? OH《オウ》! 聞いただけでも堪え切れん! これは弱った!」
と途方に暮れたが、たちまち猛虎のごとくに眼を輝かせた。
「さあ、今の薬の包紙をもう一度俺に読んでみてくれ、詳しく俺に読んでみてくれ! 君は医者ではない! 場合によれば、俺はこれからすぐに医者へ行って、解毒剤を掛けてもらわねばならん! さ、今の包紙をどこへやった? 何? 破って棄てたと? AW《アウ》! GODDAMN《ゴッダム》 YOU《ユー》!」
と頭を抱えて、狂気のように紙屑籠《かみくずかご》を穿《ほ》じくり出した。
「OH《オウ》! OH《オウ》!」
と野郎は泣き声を出して困じ果てた。
「実に弱った。外《ほか》のことならかまわんが、身体のことだけはどうにも俺には堪えられん。OH《オウ》! 早く見てくれ、服用後何時間内に発熱すると書いてあるか?」
「そのことについては別段書いてない」
「不届きな薬なんぞ消えっちまえ! |それだから日本の薬は信用ができんと言うのだ《ザッツ ワイ アイ カント トラスト ジャパニーズ メデシン》!」
と呶鳴《どな》
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