で見ても、イブセンの影響が隨分ある筈だし、また英國エリザベス時代の感化が非常にあるのは、マツケールも頻りに云つて居るが、それは渠の創作の方面であるので、僕の論文の性質から、そう云ふ問題はあまり云はないつもりである。
(二) メーテルリンクの神秘説
今、近世神秘家の系統[#「近世神秘家の系統」に白三角傍点]を、第一、スヰデンボルグ,第二、エメルソン,第三、メーテルリンクと定めることは、差支へあるまい。もつとも、スヰデンボルグが神秘派の開祖でもないし、エメルソンは神秘家と稱したものでもないが、最近のメーテルリンクから神秘説の道筋を辿つて行くと、大體はそうなるのだ。この本流には、種々大小の流れが這入り込んで來て居る[#「この本流には」〜「來て居る」に傍点]――シエリングの無差別哲學、ヤコブベーメの未生神分裂説、プロチノスの發出論、プラトーンのイデヤ説などで、それに東洋へ來れば、ペルシヤ、印度などの哲學はすべて神秘の色を帶びて居るのである。――僕が云はうとする神秘は丁度瓢箪[#「神秘は丁度瓢箪」に白丸傍点]の樣なものであつて、その上部のふくれはスヰデンボルグ、下部のふくれはメーテルリン
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