似て、而も神々しいところがある。この兩傑とも、熱誠を以つて國家の内部生命をたゞ一刹那に賭したので、僕の所謂威嚴も權力もそんなに偉大に發揮することが出來たのである[#「この兩傑とも」〜「出來たのである」に白丸傍点]。渠等はその熱烈な本能を滿足させる外、何物も分らなかつたのである。乃ち、盲目的神秘界の實現[#「盲目的神秘界の實現」に白三角傍点]と云つて善い。
(二十一) 刹那的文藝觀
豐太閤と云ひ、ナポレオンと云ひ、すべてかういふ風に解釋して見ると、國家の内部生命となつて居る文藝と同格であるのだ。文學と藝術とは、最も個人的、最も刹那的のものであつて、刻々盲轉する表象的神秘界を出來るだけ偉大に、また出來るだけ深遠に活現したものでなければならない[#「文學と藝術とは」〜「活現したものでなければならない」に白丸傍点]。文藝の本旨[#「文藝の本旨」に白三角傍点]は、豐公奈翁の行き方と等しく、刹那の起滅を爭ふ悲痛の靈を活躍さすにあるのだ。云ひ換へれば、自我を食ふ心靈の活躍さへ出來れば、もう、その上に目的とか、主義とか、寓意とか、慰藉とか、人格とかがあつてはならない[#「自我を食ふ心靈の」〜「
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