僕等の戀は實に最も悲痛なものである。僕等の靈はよく之を知つて居るので、この一刹那を爭つて、胸中の情熱はその神秘的火焔を最も烈しく擧げる,而して男女の區別を忘れ、獸と靈とを分たない樣になつて、絶頂に達するのである。若しこの一刹那を脱すると、もう、百萬年の樂しい戀も、再び暗黒のうちに葬られてしまうのである。この點から、僕の説を自分で刹那主義[#「刹那主義」に白三角傍点]とも云ふのだ。
所産の兒などは、結婚その物と同樣、別問題に屬して居るので――スパルタでは、小兒を親から分離して、その教育を國家が引き受けたなどは、最も味ひのある制度であつた。小兒はすべて戀の偶然産物である[#「小兒はすべて戀の偶然産物である」に傍点],これは、どこか遠方の暗處に居て、この世に生れて來るのを身づから渇望して居た小靈であつたのだから、親が之を寵愛するのは、たとへば、庭鳥が家鴨の玉子をかへして、自分の子だと思つて大事にしてやると同前――これ、また、何かの表象であらうから、やがて紫の水中に走り込むに相違ないのだ。
(十八) 半獸主義の神體
煩惱即菩提とは、俗曲にまでも亂用してあつて、佛家でさへもう古臭いやう
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