くるしいか
くるしめ
此のくるしみの間より出で來るもの
否、此のくるしみの間にあつて
此の人間のくるしみより生みだせ
新しき世界へ
雄々しきものを
小獅子を
おんみは生死の間にある
おんみを凝視《みつ》める自分をみろ
くるしいか
おおそのくるしみ
此のくるしみ
自分もおんみと一しよだ

ああ偉大なる人間の創造
ああ偉大なる人間の誕生

  あかんぼ

暴風《あらし》はさつた
あらし
あらし
あばれくるつて過ぎさつた
そしてそのあとに可愛いいあかんぼを殘して
わすれていつたのか
あかんぼはすやすやと寢床《ねどこ》の上
そのそばにぐつたりとつかれてその母もねてゐる
何といふ麗かな朝だらう
わたしは愛する

  風景

何がなくてもいい
これだけでいい
ポプラ一本
くつきりとたかくたかく
天《そら》をめがけてつつ立つたポプラ
大風の日のポプラ
ほえろ
ほえろ
なんといふ力強さを人間にみせてゐることか
ああ空高く
まるできちがひ[#「きちがひ」に傍点]の自分だ

  疾風の詩

あらゆるものをけちらし
あらゆるものに吼えかかる疾風
街上をまつしぐらに
疾風はまるで密集せる狼のやうだ
そし
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