風は草木にささやいた
風は草木にささやいた
山村暮鳥

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)古木《こぼく》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)無論|他人《ひと》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#ローマ数字1、1−13−21]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔TO K.TO^YAMA.〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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  此の書を祖國のひとびとにおくる


  なんぢはなんぢの面に汗して生くべし

  人間の勝利

人間はみな苦んでゐる
何がそんなに君達をくるしめるのか
しつかりしろ
人間の強さにあれ
人間の強さに生きろ
くるしいか
くるしめ
それがわれわれを立派にする
みろ山頂の松の古木《こぼく》を
その梢が烈風を切つてゐるところを
その音の痛痛しさ
その音が人間を力づける
人間の肉に喰ひ
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