れど今日《けふ》は善い日曜日だ
子ども等が何かしてあそんでゐる
落葉《おちば》のやうな子ども等よ

とろりとした日だまり
その光はまるで蜂蜜のやうだ

  朝の詩

しののめのお濠端に立ち
お濠に張りつめた
氷をみつめる此の氣持
此のすがすがしさよ
硝子《ぐらす》のやうな手でひつつかんだ
石ころ一つ
その石ころに全身の力をこめて
なげつけた氷の上
石ころはきよろきよろと
小鳥のやうにさへづつてすべつた
(おお太陽!)
おお此の氣持で
人間の街へ飛びこまう
あの石ころのやうに

  大風の詩

けふもけふとて
大風は朝からふいた
大風はわたしをふいた
その大風と一しよに
わたしはひねもす
畑で大根をぬいてゐた

  農夫の詩

おいらをまつてゐる
あの山かげへ
けふもまたおいらは馬と田圃をすきに行くんだ
あそこは酷い瘠地だけれど
どんなにおいらをまつてるか
すけばそれでも黒黒と
そこに冬ごもりをしてゐた蛙が巣をこはされてぴよんぴよん飛びだす
雀や鴉がどこからともなく群集する
おいらの馬は家中一ばんの働き手だ
おいらは馬と一しよであるのがどんなにすきだか
おいらが馬のかはりをすれば
馬はお
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