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 將《はた》又三月初より又々持病相起、幾度繰返し灸治《きうち》いたし候得共一向其|驗《しるし》も不[#二]相見[#一]候間、自分は不治之|症《しやう》と明め居候處、不[#レ]※[#「圖」の「回」に代えて「面から一、二画目をとったもの」、94−4]も當月六日 主上より侍醫並獨逸醫ホフマンと申者御遣に相成候付、治療いたし呉《くれ》候處、肩並胸|抔《など》之痛も少く相成、漸々快方に向候次第に御座候。療醫の見込も膏氣《あぶらけ》増長いたし血路《けつろ》を塞|循環《じゆんくわん》不[#レ]致候故、痛所も出來、若《もし》脉路を塞ぎ脈路|破《やぶれ》候節は、即ち中風と申ものに候由。いまだ器械は不[#二]相損[#一]候故、療治之不[#二]出來[#一]段には至不[#レ]申候得共、餘程|臟腑《ざうふ》も迷惑いたし居候に付、都而《すべて》膏氣を拔取《ぬきとり》不[#レ]申候而は不[#二]相濟[#一]との事に而、瀉藥《くだしぐすり》を用ひ、一日に五六度もくだし候事にて、少しも勞倦《らうけん》の覺無[#レ]之、日に心持宜敷相成申候。最早廿日餘にも相成候得共、些《すこし》も勞れ不[#
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