レ]申、朝暮は是非散歩いたし候樣承り候得共、小|網《あみ》町に而は始終|相調《あひかなひ》不[#レ]申候處、青山之|極《ごく》田舍《ゐなか》に信吾《しんご》之屋敷御座候間、其宅を借《かり》養生中に御座候間、朝暮は駒場野は纔《わづか》四五町も有[#レ]之候故、兎|狩《がり》いたし候處、勝《すぐれ》たる散歩に相叶、洋醫も大に悦び、雨|降《ふり》には劒術をいたし候|歟《か》、又は角力を取候|歟《か》、何|歟《か》右等の力事《ちからごと》をいたし候樣申|聞《きけ》候得共、是は相|調《かなひ》不[#レ]申段相答候へば、獨逸|抔《など》は劒術不[#レ]致者は決而無[#レ]之、人の健康を助け候もの故、彼國に而は醫師中より相起り、劒術を初め候段申事に御座候。獨逸之強國たる樣想像被[#レ]致申候。夫《それ》故雨中も堂社《だうしや》に而も其中に而散歩いたし候樣承り候間、勤而《つとめて》醫師の申す如く相勤申候。食は麥飯を少々づつ、其外|鷄《とり》等格別|膏氣《あぶらけ》之なきものを食用にいたし、成丈《なるたけ》米抔は勿論五穀を不[#レ]食樣との事に御座候。肉は却而《かへつて》膏には不[#二]相成[#一]候由
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