さね/″\》大慶之仕合此事に御座候。然れば亡父之|靈魂《れいこん》をも安ぜしめ申度御座候に付、其節差上置候|證文《しようもん》、御返被[#レ]下候はゞ、亡父へも右之首尾相濟候儀を申解《まうしとき》候半歟と相考候付、宜敷|御了解《ごれうげ》被[#二]成下[#一]候處、偏《ひとへに》奉[#レ]希候。いづれ參上仕候|而《て》、得《とく》と可[#二]申上[#一]筈御座候得共、纔|中《なか》兩日之御滯留に而、迚《とて》も罷出候儀不[#二]相叶[#一]候に付、以[#二]書面[#一]申上候間、旁《かた/″\》御汲取可[#レ]被[#レ]下候。頓首。
  六月廿三日[#地から2字上げ]西郷吉之助
 板垣與三次樣
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(按)右は明治四年上京して木戸孝允と共に參議に任ぜられ、翌五年明治天皇に供奉して二十二日鹿兒島に還る。其翌二十三日を以て亡父數十年前の舊借金を返辨したるものなり。板垣は北薩|川内《せんだい》の富豪なり。此書鹿兒島倉内十介の所藏に係る。
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     病中消息

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持病不治・主上名醫御遣・兎狩劒術角力・獨逸強
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